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2032 Lesson 229: Protecting the King

    「ほう、そのオーディーンとは、どれほどデカイのだ?」


    デルキアが食い気味に問いかけた。


    ガイウスは笑いながら答えた。


    「そうだね、倍……もしかしたら、三倍くらいあるのかも……」


    デルキアは驚きに、目を大きく丸くした。


    「三倍だと?!それは本当か?!」


    ガイウスは、少しだけ考えてから、改めて答えた。


    「そうだね。たぶん三倍はあると思う。そもそもの都市の構造が違うからね」


    「都市の構造?難しそうな話しだな。まあ良い。どう違うと言うのだ?」


    「う?ん。このアレキサンドリアは、境目がはっきりしているだろう?」


    「境目?」


    「そう。ほら、都市の外れが何処か、一目瞭然だろう?」


    ガイウスは、アレキサンドリアの街外れを指差して言った。


    デルキアはようやく意味を理解し、うなずいた。


    「ああ、そういう事か。そうだな。はっきりしている。都市の外には何もないからな。まばらに一応家が建ってはいるが、それは明らかに都市の外だ」


    「そう。つまり、ここからがアレキサンドリアという境界線がはっきりとあるんだ」


    「ふむ、それで?」


    デルキアが話しの先を促した。


    ガイウスは笑顔でうなずき、先へ進んだ。


    「対してオーディーンは、その境界線が曖昧なんだよ」


    「ほう、何処までも続いていると言うのか?」


    「そうだなあ、一応ここからここまでっていう区分はあるんだと思う。でも、そんな区分なんて、あってないようなもので、どんどんと家が建って、広がっていってる感じなんだ」


    「ほう、さらにか」


    「うん。それというのも、最初に言った都市構造がそもそも違うからなんだよ」


    「ふむ、面白い。説明しろ」


    ガイウスは大いに笑った。


    「わかったよ。ええと……さっきも言った通り、アレキサンドリアは王都だ」


    ガイウスが改まって言った。


    デルキアは無言でうなずいた。


    ガイウスは話しを続けた。


    「その都市の基本は、王を守るということなんだ」


    デルキアは斜め上を見て、しばらく考えた。


    「……当然ではないか。王がいるのならば、王を守るように都市を造るのは」


    ガイウスはうなずいた。


    「そうだね。デルキアの言う通り、当然だ」


    デルキアは無言でうなずいた。


    ガイウスは問いかけがないことを確認すると、話しを続けた。


    「だけどオーディーンは違うんだ。あそこには王はいない」


    「では誰がいる?」


    「教皇さ。教皇がいるんだ」


    「教皇とはなんだ?」


    デルキアの問いに、ガイウスが勿体つけるように間をとって言った。


    「ローエングリンの国教、ゼクス教の最高位者さ」
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