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1778 Episode one thousand seven hundred and seventy-five, illuminate.

    「……ご冗談を、アスタロト様……」


    エルはそう言うのが精一杯だった。


    アスタロトは視線を外し、漆黒の部屋を眺めながら言った。


    「そうかい?総毛立たせるというのは、敵意があったときの行動なんじゃないかい?」


    エルは毛を逆立てたままに頭を強く振った。


    「いえ!いえいえ!そのようなことは、決して!」


    エルは必死に自らの毛を押さえ込もうとした。


    だが、やはり上手くはいかなかった。


    エルは焦り、全身からとめどなく汗が噴き出した。


    「ふうん、まあいいさ。あまり君をいじめても仕方がないしね」


    アスタロトはやはりエルとは視線を合わせずに言った。


    エルはホッと安堵のため息を発した。


    アスタロトはチラリとエルを見た。


    そしてニヤリとほくそ笑んだ。


    「そんなことより、ガイウスについて話をしよう」


    エルは自分に向けられていた矛先が変わったことに飛びついた。


    「はい!ガイウスでございますね?どのような話しをいたしましょうか?」


    「そうだな……君はガイウスが好きかね?」


    意外な問いに、エルが困惑の表情を浮かべた。


    「は?……いえ、まあ……そうですね……嫌いではありませんが……」


    アスタロトは苦笑を漏らした。


    「嫌いじゃないか……では好きではないと?」


    さらなるアスタロトの問いに、エルがさらに困ったような表情となった。


    「……いえ、まあ、好きといえば、好きかもしれませんが……」


    「それは何だい?照れてでもいるのかい?」


    エルはとぼけた顔をした。


    「いえ、そういうわけでも……ないですが……」


    「そうは見えないがね?」


    「そうですか?……まあそういう感じもないではないですが」


    アスタロトが再び苦笑した。


    「つまり照れているというわけだね?」


    するとエルが仕方なく観念した。


    「……まあ、そうなりますか」


    「そうなるね」


    「はあ……ではまあ、そういうことで」


    アスタロトは大口を開けて笑った。


    「わかった。では好きということでいいね?」


    「はあ、まあそうですね」


    「素直に言いたくないのかい?」


    するとエルが顔を少しだけしかめた。


    「それはまあ、なんの拍子に彼奴の耳に入らんともしれませんので……」


    「ガイウスの耳に入るか。彼は今、死んでいるんだけどね」


    エルは急に思い出したようにアッという顔をした。


    「は、そういえばそうでしたな……ですが、復活させてくださるのでしょう?」
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