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1504 Lesson one thousand five hundred two.

    1


    「そうか。ではいよいよと言うことだな?」


    覚悟を決めた様な顔で言うカルラであったが、アウグロスは笑みを零しながら首を横に振った。


    「いや、まだまだ先だ」


    肩すかしを食らったカルラは、肩をすくめた。


    「そうか……なるほど、色々と面倒臭いようだな?」


    「そういうことだ。まだ当分はかかると思ってくれ」


    カルラは仕方なさげにもう一度肩をすくめた。


    「わかった」


    カルラの同意を得、アウグロスが再び歩き出した。


    「では参るとしよう」


    カルラはその後を無言で追った。


    そして階段へと辿り着くと、しっかりとした足取りでゆっくりと上がっていくのであった。


    2


    「……当分かかると言っていたが、それにしてもまだなのか?」


    階段を上り始めてからおよそ五分ほど経った頃、さすがにカルラが重い口を開いて尋ねた。


    アウグロスは振り返りもせず答えた。


    「まだだな。そうさな……後三十分くらいだろうか」


    カルラは思わず目を回した。


    「まだそんなに掛かるのか!?……ならば、飛行魔法を使わないか?」


    カルラがそこで当然ともいえる提案をした。


    するとアウグロスがそこで初めて足を止めて振り返った。


    「いや、ここでは魔法は使えない」


    「使えない!?それはどういうことだ?」


    「文字通りの意味だ」


    「……何故使えないのだ?」


    「わからぬ。だがここでは魔法は無効となるのだ。疑うのならばやってみるといい」


    アウグロスに言われ、カルラが何かしら念じ始めた。


    「では……飛ぶぞ?」


    カルラは言うや、わずかに上を見上げた。


    だがカルラの足は階段を踏みしめたままであった。


    カルラは驚きの表情を浮かべた。


    「……どうやら本当のようだな……」


    「納得したかね?」


    するとカルラが不本意そうに答えた。


    「せざるを得んな」


    諦念の表情となったカルラに対し、アウグロスが微笑んだ。


    「理屈はわからぬが、こればかりは仕方ないのだ。諦めて歩くしかない」


    「わかった。で、後三十分くらいだったかな?」


    「そうだ。大体だがそれくらいだったと思う」


    「そうか……以前とは異なり、身体が若返っていて良かったよ。でなければ身体が悲鳴を上げただろうからな」


    カルラは苦笑を漏らしながら言った。


    アウグロスはそれに微笑みで返した。


    「そうだったな。だがそれはわたしも同じだよ。このガイウス?シュナイダーの若い肉体のおかげで、ずいぶんと楽なものだ」


    二人はしばらくの間、共に笑い合うのであった。
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