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1257 Episode One Thousand Two Hundred and Fifty-Five: During the Battle

    カリンの表情と言葉に、ガイウスの身体がぶるっと震えた。


    「……え~と~……それは一体どういう意味で?……」


    ガイウスがなんとか絞り出すように問いかけると、カリンがニコッと可愛らしくも不気味に笑った。


    「意味も何もないわ。そのままの意味よ」


    「……え~と~そのままの意味っていうのがわからないんですけど……」


    ガイウスが重ねて問うも、カリンはニコッと微笑むだけで答えようとはしなかった。


    「……え~と~、そのう~……」


    カリンの微笑みにびびり倒したガイウスが言葉をあぐねていると、カルラが助け舟を出すかの如く口を挟んだ。


    「まあ、その辺にしてやれ。ガイウスも多少はお前の怖さが判ったようだしな」


    するとようやくカリンが言葉を発した。


    「そうね。じゃあこの辺にしましょ」


    カリンは再び可愛らしい笑顔でそう言うと、スタスタと先を歩いて行った。


    残されたガイウスは、カリンの笑顔がこれまでの可愛らしいものとは思えず、とても恐ろしいものに感じて動けなかった。


    そしてガイウスは、カリンの醸し出すそこはかとない恐ろしさに、再び身体を震わせたのだった。


    するとそれを見てカルラが苦笑交じりに声を掛けた。


    「お前、ずいぶんとカリンを甘く見ていたな?」


    するとガイウスがあっさりと認めた。


    「……うん。正直……」


    「やはりそうか。だがようやくわかったようだな?あれの怖さが」


    「……そうだね。でも……」


    ガイウスがカリンに対する恐れからか言い淀んだ。


    だがカルラはうなずくことで、ガイウスに対して先を促したのだった。


    「……もしかしてカリンってさっきの戦いだけじゃなく、今まで一度も俺の前じゃ本気を出していない?」


    するとカルラがコクンと小首を垂れた。


    「その通りだ。そしてそれは、デルキアも同じだ」


    するとガイウスの目が少し大きくなった。


    「……なるほどね。そうなのか……」


    「ああ、そうだ。彼女らは怒りにまかせて本気を出したりはしない。そんなことをすればいざという時に力を発揮できないからな」


    「……それはどういうこと?」


    カルラの言葉の意味を計りかね、ガイウスが問いかけた。


    するとカルラが首を軽く横に倒し、両手を腰に置きながら静かな口調で言ったのだった。


    「彼女たちは何があろうと本気は出さない。出してしまうと力が減るからだ。つまりな、彼女たちは常に力を溜め込んでいるんだよ」


    「……力を溜め込んでいる……」


    「そうだ。長い年月を掛け、じっくりとじっくりと……な」


    「それってもしかして……」


    ガイウスが或る事に気付き、カルラに問うた。


    するとカルラがニヤリと笑い、厳かな雰囲気を醸しながら言ったのだった。


    「そうさ。彼女たちが本気を出すのは、来たるべき神との戦いの時なのさ」
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