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1164 Lesson one hundred sixty-two, control.

    「……ああ、そうだったな。それもシェスターさんに聞いているよ」


    ガイウスは何度もうなずきながら自分に言い聞かせるように言った。


    するとデルキアがさらに厳しい表情でガイウスの顔を下から覗き込んだ。


    「そうか。ならばお前はここにいろ。サタンへはわたしが会いに行ってくる」


    「デルキアが?」


    「そうだ。お前をサタンと会わすわけにはいかない。ならばわたしが行けば良いだろう」


    「それはそうだけど……俺がサタンに会っても直ちに何かなるってわけじゃないんじゃないの?だってシェスターさんの話しだと、永久凍土を溶かす役割なのは、千年竜であって俺じゃ無い。その千年竜はメノンティウスが再び連れて行ってしまったわけでしょ?なら俺がサタンと会っても問題ないじゃ無い」


    「それはわからん。お前が会いに行った途端、サタンがメノンティウスを召喚するかもしれないではないか。そうなればメノンティウスは千年竜を使って永久凍土を溶かすだろう。そうなれば……奴は自由の身だ。神に挑むのも奴の自由というわけだ」


    「でもそれは、俺が荷担しなけりゃいいだけの話しでしょ?」


    「お前の意思が関係するかどうかは判らぬ。メノンティウスは竜の涙を持っているのだからな」


    「ああ、あれね。千年竜を制御できるって話しだけど……」


    ガイウスが或る日の出来事を思い起こしながら言った。


    するとデルキアが首を大きく横に何度も振った。


    「それだけではない。メノンティウスはその竜の涙でサタンも制御しようとしていたらしい」


    「サタンも!?竜の涙ってサタンも操れるの?」


    「確かなことは判らん。だがメノンティウスはそのつもりだったようだ」


    「マジか……じゃあ竜の涙って万能じゃん……」


    「かも知れんということだ。ならばもしかするとお前も制御できるのかもしれないということだ」


    するとこれにはガイウスが目を大きく見開いて驚いた。


    「俺も!?俺も制御できるかもしれないの?その竜の涙で?」


    「いや、これはわたしの想像に過ぎん。だがその可能性があるのだったら、お前をサタンに会わすわけにはいかない」


    するとガイウスが難しい顔付きとなった。


    「……しかし……デルキアが行ってサタンと話しになるの?」


    するとデルキアのこめかみに怒りマークが浮き上がった。


    「なんだと?お前、ガイウスの分際でこのわたしをディスっているのか?」


    ガイウスは大慌てで手を横に何度も振った。


    「いや違う!そういう意味じゃ無く!」


    「じゃあどういう意味なんだ!言ってみろ!」


    デルキアは完全に顔を上気させ、怒り心頭といった表情でガイウスに詰め寄るのであった。
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